永遠の愛
「こ・・・こッ、殺して・・ください!・・あッ、あっー!」
俺の体は勝手に痴れ狂った夢遊病者のように、もっともっとと前立腺の快楽を求めるのでした。
女は真っ赤な口をあけると長く伸びた犬歯で俺の体に傷をつけ、ときには長い舌で首筋を
唾液まみれにするのでした。

「うふふ・・・発情して狂ってるのね、坊や。叫び声をあげる隙もないほど荒々しいキスをして
もう二度と「殺して・・」なんて言えない様にしてあげる」
女のマントから漂う腐りかけの果実のような甘く妖しい香りの罠に導かれて、俺は邪悪な牙に
自らの肉体を捧げる・・・。
肉体を棄てて精神をも殺したその果てには、何があるのだろうか?
血で血を洗う幻覚が俺を取り殺すようにやってくる・・・。
その時だった!
俺の神経いや脳の中から女の子の声が響き渡った。
「もう少しよ、がんばって・・・!」
それは藍がじかに俺の思念に語りかけてきたのだった。
「誰だっ!!」
女はひとつ苦々しげに舌を打つと、いきなり食事を中断して俺の上から降りた。
ここまで来て途中でやめられたのでは、俺もたまらない。
肉体は既に痴れ狂っている。
思わず悲鳴じみた喘ぎを漏らしたが、女は無情にもそれを鼻で嘲笑い、マントを体に覆い包んだ。
「こんばんわ、吸血鬼さん。あたしを覚えてるかしら?」
ホテルの部屋のドアから白いもやがすーッっと消え、表れでたのが藍であった。
藍は素早くドアのロックを外すと、黒百合に向かって身構えた。
「サンキュウー、アイ!」
ドアから みゆきが中に入ってきたと同時に、聖水の入った小瓶を黒百合にめがけて投げた!

「ふんッ、そんなもの!」
黒百合は体を捻ってかわそうとしたが・・・。
「何ッ!」
体がいうことをきかなかった。
パリンっと小瓶が割れるとともに、女バンパイアの全身に聖水が降り注いだ!
「ぎゃあー!あつい−ッ!!」

「甘いわね!吸血鬼さん。そのコの生き血を吸った時点であなたは私に捕らわれたも同然だったのよ!
それに気づかなかったあなたが、いけないのよ!」
「くッ、くそー!」
黒百合の体はいうこと きかないらしく、力で体がふるふると震えていた。
「彼の体を私が吸血してあげたの。だからあなたが吸った彼の血は、微量ながらもあたしの
血が混ざっていたわけよ。
それがあなたの運のつきだったのよ・・・。おとなしくなさいな、黒百合さん・・・。」
黒百合は藍を睨みつけながら、唾を吐いて最大限の抵抗をした!
「アイッ!黒百合の羽織っている黒マントがバンパイアの正体よぉ!
すぐにそいつからマントを奪ってあげなさいッ!!」
「やッ、やめろーッ!!」
黒百合は大地から響くようなうめき声をあげたのだった。
戦いの果てに
「ふぅーッ、みんなお疲れさま!」
みゆきはタバコを口にくわえながら、みんなに声をかけた。
「はい、お疲れさまです。きゃはは!」
藍はいつもの明るい女子高生に戻っている。
そんな中、蚊の鳴くような声が下の方から聞こえてきた。
「あうぅ〜、助けて〜立てましぇ〜ん!ぐすん!」
俺は3日も寝ていないような体が芯まで鉛につかった感覚で、ヘトヘトになっていた。
「きゃははッ!なにそのカズ君の顔〜!おめめにでっかいクマできていて、まるで「たれぱんだ」
さのものよぉ〜!」
藍がみゆきの顔を覗き込んだが、みゆきは「はぁー!」っとため息をついてやれやれというポーズをとってみせた。
「ほらッ、私が癒してあげる!」
そういうと藍は俺の前にしゃがみこんだ。
「私の胸に顔をあづけてごらんなさい・・・」
俺は藍の豊満な胸の谷間に顔を押し付けた・・・。
そして藍は自分のマントで俺を優しく包み込むのだった。
マントの中はあたたかく甘いバラのかをりが漂っていた。
(ああッ・・心地いい、懐かしく切ない気分・・・。)
自然に身体から疲れが引いていき、心が和んだ。

「はーい、サービスタイムはここまででーす!
あとでお金を請求するから覚悟なさーい!
マダ嫁入り、前の大事な体なんだからさー、きゃはは!」
むッ!
俺はちょっと気分を害したが、藍のおかげで体が動けるようになったので
まーいいか!と妥協してしまった。(笑)
「さーて、事件も解決したことだし、おなかすいたから焼肉でも食べにいかない?」
ロングコートの汚れを振り払いながら みゆきが言った。
「さんせー!あッ、でも私はニンニク入りキムチは苦手だから、それ抜きでお願いしまーす!」
「はいはい!(苦笑)」
3人は何もなかったように、ホテルを後にしたのでした・・・。
おわり
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